考え事

千葉雅也「禁煙ファシズムから身体のコミュニズムへ」を読んで

千葉雅也「禁煙ファシズムから身体のコミュニズムへ」.『Voice』. PHP研究所. 2017年9月号. を読んだ。 (Web版も公開されていた http://shuchi.php.co.jp/voice/detail/4236)完全禁煙派や草食系、ベビーカーに文句を言うような人たちは「私とあなたの境界…

「客観的に」認められたいとい欲望は、結局は自尊の相関だ。

「客観的」なんて純粋にはあり得ない。神の視点なんてない。あったとしても、その視点から見える私はちっぽけでどうでもよいものだろう。客観性のニヒリズムだ。そうではない。客観的な見方の第一歩は、「もし相手だったらどう思うか?」という私の主観だっ…

生きることは、主体と対象の理想的時間の闘争だ

ハイデッガーが言っているのはこういうことだ。私たちは何かによって退屈させられている時、その何かがもつ時間にうまく適合していないと言っているのである。 つまりある物とそれに接する人間がいるとして、両者の間の時間のギャップによってこの第一形式の…

「寂しがりの一人好き」の、ストレス性頭痛について

頭痛がする。(…って本当によく言ってる気がする) 拍動性のヤツと、ずしーっと重いヤツが共存しているから質が悪い。 村上春樹ならきっとこの頭痛をもの凄く的確に書いてくれるに違いない。 彼の頭痛に関する表現は、綴じて纏めておきたい位、的確すぎる。…

嘘を信じることの価値 ― 人間関係の終わり、別れ、絶望に関して

■「人間関係の終わり」ってものはいつなんだろうと考えていた。人間関係の終わりは、相手の死ではない、とは思う。 死の瞬間から、喪の作業が始まる。 もう手に触れることはできないけれど、死の瞬間から相手は初めて自分の中で確実性を伴って生きはじめる。…

わがままな愛

(2009年08月12日08:15のmixi日記から転載)この夏学期、副ゼミで愛について研究してました。 なんだかケリがついた気がするので日記に記そうと思うのです。◆ 愛にとってなくてはならないものは、わがままに甘えて、欲しい!!って思うことです。「あなた」…

「もう嫌だ!」から始まる物語

「もう嫌だ!」から始まる物語があってもいいと思うんだ。 その、もう嫌だという気持ちが深ければ深いほど、 なぜ嫌なのか、ということを突き詰め、考え抜く能力さえあれば、 マイナスからゼロへ、そしてゼロからプラスへと、物語は紡がれると思うんだ。 憧…

靖国参拝から始まる一年

あけましておめでとうございます。元旦に友達二人と靖国に参拝しました。祈願っていうか「私も頑張ります!」的な宣誓になってしまった。だってさ、大きなものがあったほうが頑張れるじゃんか。守ってもらえてるから、帰る場所があるから、走り出せるんじゃ…

辞書を持って生きていれば、幸せでしょうか

前回のエントリーから5ヶ月弱経つ。指を折って数えてしまった。単純な計算は苦手だ。 何故って、後頭部に漬け物石でも寄生したような頭痛に三ヶ月ばかり悩まされたうえに、連合弛緩なんじゃないかってくらい観念放逸状態にあって、思考が迂遠し、すべてがま…

世界の配色

世界の配色はだれが決めているのだろう。窓の外には紅葉の梢を前景に、今が盛りと野菜が成り、連なる山の上には空が広がる。今朝、起きたときにはたしか、五月蠅いくらいに眩しくて綺麗な色を見た。ある時、突然に、その世界の配色は変わり、今はすべてがく…

(生きる糧としての)欲望について

なんだろうか、あまりにも「統一」とはかけ離れた世界を自らの心中にすら認めざるをえなかったからだろうか、その不可能性を明めることに諦めざるをえないことを知ったからだろうか。いまの私に「嫌いな言葉は?」と聞いたら「概念。」と答えるだろう。自ら…

THE FLAG Flutterin' in 2005

それがよすがとなって零れ落ちた記憶を呼び起こすような文章……そのような文章が名文と呼ばれるに値するのだろう。実家に帰り自室の本棚の前で心に触れた本の頁を繰っていたら久々に声をあげて泣いてしまった。 この日記に付されたタイトルを見て、判る人には…

欺瞞

博愛?結局は私は目において対峙できる人間しか愛することをしないし、相手が愛を求めていようとも、その見返りがマイナスと予測されるときは愛そうとはしない。つまり、私にはセンの意味でのコミットメントは未だ為し得ない。実に伝統的な経済学の想定する…

ちやほやされたい

「ちやほやされたいんじゃないの?」ーー主に女性に対して遣われるこの言葉には、大抵否定的なニュアンスがふくまれている。しかし、それがなぜ否定的な意味を帯びるのかふと考えてみると、その答えは《社会の構築物》以外に見つからない。なぜならば、社会を…

判断・・・

「判断」とはなんであろうか。ある対象を主観によって判断することでその対象をその判断の檻に閉じこめることができる。人間は整理整頓が好きだ。見聞きする対象の表象をショーケースのどこかに仕舞うのが大好きなのだ。そうすれば、次にその表象の類似に出…

独占欲について

独占欲ーー特に恋愛における排他性や嫉妬は、どこから生じるのだろうか。一元化してしまえば、安定的な自己の保障となるのだろう。 つまり、相手を「我がもの」として定位することにより、対他存在である自己を安全な領域へと確保しようとする欲求がみてとれ…

トラックレコード

トラックレコードとは金融で使われる概念であり、ある取引先とのそれまでの信用の蓄積である。 敷衍して、ある特定の存在者との関わりにおいてその時間ごとの表象の蓄積ーーある相手との時間の束と解することもできるだろう。 トラックレコードは、その相手…

『私を含め貴方たちは全員病人だ。』

精神障碍者――この日記を読んでいるあなたのこの言葉から汲み取るイメージはどんなものだろうか?異端?理解不能?障害?哀れ?同情?負け犬?これらのイメージは全て誤っている。むしろ事態は全く逆で、心に闇のない人間――そんな稀有な人間が存在するのか知…

「自由」?

最も嫌疑している言葉。「〜してもよい。」を与えられた人間はその中から選び取り、「〜しなければならない。」を生み出してしまう。結局は束縛に落ち着く。社会が自由を標榜しても、個人が自身を束縛する状態に移行するだけで、状態は悪化していくのみ。 し…

補遺:私の行動様式との連関及びアイデンティティについて

先ほど、恋愛感情についての考察を行ったが、私がそのような恋愛感情を抱かれづらい(と自分では思っている)のは、私の行動様式に起因する部分も大きい。私は、常に「安定」を欲している。毛布のような安定を。そのため、「安定」のためならなんでもする。…

恋愛感情について

「友達としては好きだけど、恋人として好きなのかはわからない」よく言われる言葉。しかし、この発言の意味を私は一度も理解できたことがない。 それはおそらく私が「恋愛感情」と言われるものに対して懐疑的だからだろう。恋愛感情は大別して二つ要素に還元…

椅子

今の自分に求めているものを喩えるなら椅子だ、と今思った。椅子、ただし、背もたれのない椅子。椅子は、安心、安定を象徴すると思う。しかし、背もたれのない椅子に座るにはある程度の緊張がいる。そんな状態を欲してるんだと思う。それ故、その目指す先故…

φιλοσοφια

φιλοσοφια−フィロソフィアとは、「知を愛する」という意味で、「愛知」と訳される。 知を愛すること、私にとってそれのみが唯一、自分を自分として保つ手段であり、自分の目的である。私が、自分自身を愛することができるのは、この知においてのみである。 …

景気循環と不況期に於ける合理的期待形成の果たす役割について

気分循環症、時々双極性II型。景気変動のように軽躁状態と鬱状態を繰り返す病気。最近は症状が緩和して、軽鬱位だけれども。不況にコストがあるのは勿論、好況のインフレにコストがある。前回の不況期は年末?今回の景況悪化は実物的要因が強いかもしれない…

感情の非在についての覚書

一般に言われる感情なるものは先行して存在しない。ある刺激への脳内物質の反応に対して、ある言葉が割り当てられているにすぎない。言葉に先行して感情は存在しない。割り当てられた言葉のなき脳内物質の反応は精神にどす黒い塊となってへドロのように滞留…

写像A

たとえば、y=3xという関係は、xという空間にあるものを3倍して、yという空間へと移動させることを示す、らしい。そして、その移動させる能力を写像(関数)と呼ぶ。そして、人間は、どんな空間にあるものをも別の空間へと移動させる能力を潜在的に有してる…

記憶の交差点

らしいです、夢って。幾重にも折り重なった記憶の重層点。だから、要素に分解して考えることに意味がある。悪夢で目が覚めて気分悪いから、日記でも書いて解消を試みる。 ただそれだけの日記です。・mixi辞めるといった友人が階段で暴れてて、酒瓶を叩き割っ…

「貪欲で怠慢。所謂普通の人間だ。」−−今年の抱負にかえて

◇やる気保存の法則 ある閉鎖的な空間において、やる気の総量は常に一定である。 誰かがやる気を出せば、他の誰かのやる気は減る。 いや、単に実家であまりに自分がなにもしないから思いついただけなんですけどね。 たぶん、やる気に充ち満ちた環境にいたらな…

マスターの最期の消失マジック

昨日21日午後10時をもって国立邪宗門が閉店した。 てっきりあの建物はマスターの所有物だと思っていたら、賃貸だったらしい。 実にあのマスターらしい。 もう今日からは元従業員すらあの建物に入ることすらできないらしい。 当然あると思っていたものが突然…

死刑について

法律には全く疎いのだけども、日々ニュースで殺人だの裁判だの報道されていれば、一定程度の関心は持つものだろう。 さらには、裁判員制度とかいうのが始まるらしいので、一国民として死刑はじめ刑罰に対する哲学を持っているべきだろうとも思う。 そこで、…