学問の水準について 『存在と時間』より

 「その研究の本当の進歩は…(略)…むしろ、事象についてこのように蓄積されていく知識の増加からたいてい反作用的におしだされてくる、それぞれの領域の根本構成への問いのなかにある。」(p.43)
「諸科学の本当の『動き』は、それの基礎概念に加えられるーー透明な自覚をもってなされる、多かれ少なかれ根本的なーー改訂作業のなかで起こっているのである。一学問の水準は、それらの基礎概念がどれほど深い危機に際会することができるか、ということから決定される。」(p.43)